エチオピアという国
エチオピアは、コーヒー発祥の地と言われています。
- 人類発祥の地と言われていたり
- 世界最古の独立国であったり
- アフリカで唯一支配されたことのない国でもあります。
何ともエネルギッシュな国に感じます。
コーヒー発祥の地ではありますが、生産量は世界第5位
世界生産量の約5%を占めています。
ブラジルのように大きな敷地に大量生産する仕組みはなく、「先祖代々受け継がれて来た土地を守り、コーヒーや他の農作物の生産で生計を立てている」そんなイメージです。
「ヤギ飼い少年カルディ」のコーヒー起源伝説
エチオピアに住むカルディと言う少年が、ヤギ飼いをしていました。
ある日カルディは、高原に放し飼いしていたヤギたちが夜になっても休まず元気良く跳び回っていることに気付きました。
不思議に思ったカルディは、ヤギの行動をよく観察して見ると何やら「赤い実の果実」を食べていることに気付きます。
そしてカルディも試しに食べてみると、全身から力が湧いてきたのです。
そこで、近くの修道院を訪ねてその不思議な話を伝えると、院長も不思議に思いその効能を実際に試してみることにしました。
夜の儀式中に居眠りしてしまう人にも飲ましてみたところ、いっさい居眠りせずに夜の儀式を終えることが出来たそうです。
そこからコーヒーは、睡魔に打ち勝つ「魔法の木の実」として知られるようになったということです。
やがてその噂は広まり、魔法の木の実を競って求めるようになったとされています。
コーヒー起源伝説は諸説あり、どれも伝説的に話されていた物なので事実かどうかは判りませんが「エチオピアが起源ではないか」という人が多いようです。
信じるか信じないかは、あなた次第です!
コーヒーは、食べ物だった
コーヒーはその昔は、煮て食されていたと言われています。
エチオピア南西部の奥地に住むオロモ族の間で、子供や家畜の誕生を祝ってコーヒーと大麦をバターで炒めたもの「コーヒーつぶし」の儀式が残っているそうです。
乾燥させたコーヒーの葉で淹れた「アメルタッサ」
炒ったコーヒーの葉で淹れた「カティ」という飲み物も愛飲されている そうです。
それほどコーヒーは、貴重な栄養源に成っていたのでしょう。又は、薬として食されていたとも言われています。
コーヒーには色々な成分が含まれており、認知症予防や改善に効果が期待されているトリゴネリンなどは知られているところです。
まだまだ研究段階の物も沢山あり、今後多くの病気の治療薬として注目されるかもしれませんね。
エチオピアの主なコーヒー生産地域
シダモ
シダモの歴史
現在は、シダマ州(シダモ州ともよばれている)2020.6.18に州に昇格しました。それ以前は、南部諸民族州に属するシダモ県でした。
1936年に設置されたシダモ県は、現在のガンベラ州・南部諸民族州・オロミア州南部の広大な敷地面積を管轄していました。
1870年代に現在のエリトリアをイタリアに奪われ植民地支配されてしまいます。その後1989年にイタリア領ソマリランド(現ソマリア南部)を取得することになります。
イタリア撤退後、シダモ州を設置しますが、1994年12月に新憲法によりシダモ州は消滅し、新たに南部諸民族州が設置され県の一部としてシダモ県の名前は残ります。
2019年住民投票の結果、多くのシダマ人によって州が設置されることが決定し、2020年にシダマ州として復活しました。
エチオピアでは今も内戦が行われていますが、多くの民族が入り混じっているためか?昔から争いの絶えない土地柄なのかもしれませんね。
シダモと言えば、コーヒー!
高品質なコーヒーを栽培する地域で、独特なフレーバーがあり人気のエリアです。「モカ・シダモ」で日本でも昔から知られています。
シダモは、産地名かブランド名かと言う裁判でブランド名であると判決が下りました。
産地名の認知度よりも、コーヒーのブランド名の方が認知度が高いことが判決理由だそうです。
それだけ日本では、「シダモ=コーヒー豆」の認知があり親しまれてきたコーヒーだということですね。
柑橘系のフルーティーなフレーバーが特徴的なコーヒーの印象です。
イルガチェフェに比べると、スッキリした印象で少し物足りなさを感じますが「モカ」って言う感じが強くキャラクターがしっかりしています。
複雑なフレーバーとスッキリした味わいが特徴です。
基本的には、ほとんどがウォッシュドで品質が高いですがグレードが落ちると欠点豆もかなり増えて来ます。
イルガチェフェ
ちょっと前まではイルガチェフェ地区は、シダモ県の中にありシダモとは別の名称で知られていました。
現在は、南部諸民族州 ゲデオ県 イルガチェフェ地区 が正しい表記です。
現在は、シダモの一部では無くなりなした。
世界的に有名なコーヒー生産地区で、世界中のロースターから愛されています。
紅茶・ピーチ・ストロベリーなどフレーバーは多岐に渡り、とても魅力的な生産地区一つです。
複雑なフレーバーや味わいが特徴的で、深みがあり個人的には好きな味わいです。
ウォッシュドとナチュラルどちらも生産しています。
精製方法でもフレーバーや味わいがかなり変わるので、飲み比べてみると面白いですよ。
ウォッシングステーション(精製所)によってもフレーバーや味わいが変わり、イルガチェフェだけを飲み比べるのも面白いですよ。
- コンガ
- コチャレ
- ケディダ
- イディド
- アリーチャ
など多くのウォッシングステーションがあり、上記の名前はほんの一部で沢山あります。小規模農家によって品種も違うため、フレーバーや味わいが変わってきます。
グジ
オロミア州グジ県は、標高が高く高品質のコーヒー生産地域であると近年注目されてきた地域です。
ゲデオ県とシダマ州に隣接している 地域で、以前はシダモの一部として生産されて来ましたが、品質の高さから注目を集め今ではシダモとは別の扱いで取引されるようになりました。
華やかなフレーバーと整った味わいで、イルガチェフェに比べるとクリアな味わいで品質の高さを感じます。
ウォッシュドとナチュラルが生産されています。
シダモやイルガチェフェのような複雑な感じは弱く、整った味わいのため「これエチオピア?」って思う方もいるかもしれませんが「エチオピア」です。
それだけ品質が高いということです。
ただ個人的には、「複雑なフレーバーや味わいがエチオピアらしさ」でもあるように思うので、品質の高さは解るけどチョット物足りなさを感じてしまいます。
- オド・シャキッソ
- アドラ・レディ
- ウラガ
- ケルチャ
- ブレ・ホラ
で生産されています。
生産地域によって標高や環境に大きな差があるので、同じグジでもフレーバーや味わいがかなり変わります。
ハラリ
ハラリはハラリ州で生産され、ハラーとも言われ「モカ・ハラー」でよく知られています。
日本でも昔から良く知られたコーヒー生産地域の一つです。
ベリー系のフルーティーなフレーバーが特徴的です。
複雑でありながら、スッキリしていてコクも深く、何とも懐かしさを感じてしまうようなコーヒーです。
カファ
カファ県は、コーヒーの原産地として知られており、コーヒーの語源とも言われております。
「ここからコーヒーの歴史が始まった」とされているので、野性的に育つコーヒーの木が沢山あり、未だに特定できていない品種も多い。
だだこの地方に限ったことではなく、エチオピアの生息しているコーヒーの木は未だに品種の特定ができていないものが多いのが現状です。
ゲイシャのような華やかなフレーバーの物も、まだまだあるのかもしれませんね。
リム・ジマ
オロミア州ジンマ県で、エチオピア南西部に位置しています。
地域的な所もあるようですが、判りやすく言うとウォッシュドは「リム」。ナチュラルは、「ジマ」。
リムは、イルガチェフェ・グジ・シダモの次くらいのクオリティーの高さに感じます。
フローラルや紅茶のようなフレーバーがありクリーンな印象です。
個人的には、チョット物足りないかな?
ただ物にもよるので、今後に期待できる要素は秘めているかもしれませんね。
ジマは、スペシャルティではなくコモディティコーヒーのナチュラルが一般的です。
正直飲んだ記憶がないかな?
どこのロースターさんも、イルガチェフェ・グジ・シダモなど高品質の豆を取り揃えているので、置いているお店は逆に「レア」かもしれません。
もし店頭に並んでいたら、是非試して見てください。
レケンプティ
オロミア州の西部ウォレガ県で、栽培されています。
自生に近い栽培方法で生産している農家が多く、ナチュラルで精製されています。
多くはコモディティコーヒーとして取引されている印象です。
柑橘系のフルーティーなフレーバーで、穏やかな酸味と甘味が強く、まろやかな味わいです。
ゲイシャ
南西エチオピア諸民族州のゲシャ村で、ゲイシャ種が生息しておりました。
その後、パナマに渡りパナマのゲイシャが世界中のコーヒー業界に衝撃を与え、未だに人気があり高額で取引されています。
エチオピアのゲイシャは、パナマほどインパクトはありません。
でも他とは、明らかに違う華やかなフレーバーは特徴の一つです。
エチオピアのコーヒー生産地は、大きく四つのタイプに分かれる。
フォレストコーヒー(生産量の約10%)
森林に自生する天然のコーヒー。
最も伝統的な生産地だが、生産効率が低いので、後述のセミ・フォレストやガーデンコーヒーに移り変わりつつある。
JICAが2003年より森林コーヒーを保全する活動を開始している。
セミ・フォレストコーヒー(生産量の約35%)
天然のコーヒーの森を手入れしたもの。
雑草の除去、日照量の調整のための伐採などが行われる。土地の所有者は存在する。
ガーデンコーヒー(生産量の約50%)
農家の裏山や庭に、農家の手によって植えられたコーヒー。
バナナやアボカドと一緒に植えられることが多く、収穫したら精製所、農協などに持ち込んで現金化される。
プランテーションコーヒー(生産量の約5%)
エステイトコーヒーとも呼ばれる。
民間もしくは国営の大規模農園。
生産から輸出までワンストップで行う。
特定の品種を植えたり、テクノロジーによって生産効率や品質を上げることができる。
農園名が付いているエチオピアのコーヒーはほとんどこちらに分類される。
ゲシャビレッジ農園などが有名。
エチオピアのコーヒー品種
エチオピアの品種は、在来種として表記されます。
エチオピアは、ほとんどが小規模農家です。
農家と言っても自分の先祖代々の土地にコーヒーの木が生息していたので、コーヒーの実をお金に変えて生計をたてていたりします。
野性的に生息しているケースが多いので、全ての品種の特定ができていないのが現状です。
そのため多くの品種が入っているので、香りや味がとても複雑なのがエチオピアの特徴の一つです。
エチオピアの格付け
エチオピアでは、300g中の欠点豆の混入率でグレード分けされています。
- G1(グレード) 0~3
- G2 4~12
- G3 13~27
- G4 28~45
- G5 46~90
ひと昔前までは、味での評価はされていなく欠点豆の混入率での評価でした。
この評価は、昔からのコモディティコーヒー(先物取引商品)の基準で現在は徐々に改善させて来ています。
当時は96%がコモディティコーヒーの取引で、スペシャルティコーヒーに主軸を置いていませんでした。
現在は、Qグレーダーによる品質評価(味覚や臭覚などによる評価)が導入されスペシャルティコーヒー業界へ歩みはじめました。
詳しくは、コーヒー流通にて説明いたします。
欠点豆は、ロースターがきちんとハンドピックして取り除いていれば特に問題はありません。
ただし、きちんとハンドピックしていないと味や風味に確実に影響してきます。
お店や規模によってはハンドピックをしないケースもありますので、ハンドピックをしているお店で購入することをお勧めします。
当店は、きちんとハンドピックを行っています。
エチオピアの代表的な精製方法
ナチュラル(自然乾燥式)
ナチュラルは、収穫されたコーヒーの実をそのまま天日乾燥させコーヒーの豆を取り出す精製方法。
エチオピアでは、小規模農家が収穫したコーヒーの実をウォッシングステーション(精製所)に持ち込み精製されるのが一般的。
農家の組み合わせによって風味・味などに多少のブレが生じる場合もある。
平地が少ないので高床式の棚(アフリカンベット)で乾燥させる。
できるだけ均一に乾燥できるように、定期的にかき混ぜながら乾燥させる。
乾燥が終わると、パーチメントの状態で貯蔵庫で1か月~2か月熟成(水分量をより均一にさせる)させたのち、脱殻機でパーチメント(内果皮)を取り除く。
グリーン色のコーヒー生豆を色やサイズ別に選別・欠点豆の除去を行い、袋詰めして出荷していく。
メリット:風味が強くコーヒー本来の味わいや比較的甘味が強い傾向にあります
デメリット:未成熟豆や発酵豆などの欠点豆の混入が多くなる傾向にあります
エチオピアコーヒー本来の味や風味を感じられます。
ウォッシュド(水洗式)
ウォッシュドは、収穫した実を水の中に入れて沈んでいる実のみを使用する。
エチオピアでは、小規模農家が収穫したコーヒーの実をウォッシングステーション(精製所)に持ち込み精製されるのが一般的。
水に浮いている実は、未成熟のため使用しない。
ここで欠点豆を取り除く工程になる。
沈んだ実は、パルパーと言う機械で皮と果肉を取り除く。
取り除いた種は、パーチメント(内果皮)とその周りにぬめり(ミューシレージ)がある。
ミューシレージを完全に取り除く必要があるので、水を張った発酵槽の中に入れて発酵させて取り除きます。
その後ミューシレージを取り除いたパーチメントを良く水で洗浄し、ナチュラルと同じように天日乾燥させます。
ナチュラルと同じようにアフリカンベットで、定期的にかき混ぜながら、できるだけ均一に乾燥できるように乾燥させる。
乾燥が終わると、パーチメントの状態で貯蔵庫で1か月~2か月熟成 (水分量をより均一にさせる) させたのち、脱殻機でパーチメント(内果皮)を取り除く。
グリーン色のコーヒー生豆を色やサイズ別に選別・欠点豆の除去を行い、袋詰めして出荷していく。
メリット:欠点豆の混入率が低いので品質は良くなります。
デメリット: ナチュラルほど風味や甘味が強くありません。
味わいはクリーンで酸味は強くなる傾向にあります。
エチオピアのコーヒー流通
コーヒーは小麦やとうもろこしなどの穀物と同じコモディティ商品(価値がすべて同じ商品)で、先物取引が行われます。
先物取引とは、商品ができあがる前にあらかじめ将来の取引価格を決めておくことです。
メリットとしては、買い手にとっては値上がりのリスクヘッジになり、売り手にとっては将来の収入を確定できることにあります。
デメリットとしては、投機家は値上がりしそうな銘柄に資金を投入し利潤を得るためだけに大きく変動してしまうこともあります。
・アラビカ種はニューヨーク商品取引所
・ロブスタ種はロンドン商品取引所
で先物取引が行われています。
アラビカ種の先物取引の銘柄は、下記の三つに分けられます。
・コロンビアマイルド(コロンビア、ケニア、タンザニアのウォッシュド)
・アザーマイルド(その他生産国のウォッシュド)
・ブラジルナチュラル(ブラジルやエチオピアなどのナチュラル)
主に需要と供給のバランスで、国際価格は変動します。国際価格が大きく上下することで、生産者の生活は不安定になってしまいます。
輸出割当制度の導入
価格の安定を図るため、流通するコーヒーの量を調整することで需要と供給のバランスを保つ必要がありました。
それが、輸出割当制度と言うものでした。(1962年に国際コーヒー機関(ICO)が国際コーヒー協定(ICA)を定めた。)
しかし、生産国からは生産しても輸出できず在庫を抱えていたり、消費国では買いたいのに買わしてもらえないなどの不満が多く、アメリカのICO脱退を契機に、1989年に輸出割当制度は停止してしまいました。
輸出割当制度の停止後もコーヒー消費量は年々増え続け、投資家の投機対象としての人気は衰えず、コーヒーの国際価格は大きく上下しています。
また、最大生産国ブラジルの生産量や経済も国際価格に大きく影響しています。
2019年に国際価格は大暴落し、生産価格より国際価格が安くなったとまで言われましたが、その原因はブラジルが豊作であったこと、レアル安(ブラジルの通貨が安くなった)がありました。
エチオピアのコーヒー業界が変化
エチオピアの生産量は世界の約5%と、国際価格に与える影響は少ないにも関わらず先物価格で取引されるので、生産者は苦境に立たされてしまいます。
そのような状況の打開策がエチオピアにいくつか現れました。
1999年オロミア農協が設立されました。
オロミア農協は、フェアトレード、オーガニック、レインフォレストなどの認証を取得し、オロミア州のコーヒーを認証付きのコーヒーとして国際的に流通させることに成功しました。
粗利益の70%は地方の協同組合に還元される仕組みです。
地方の協同組合には農協からトレーナーが派遣され、サステナビリティに配慮した生産方法を伝えて回ります。
オロミア農協の取り組みは『おいしいコーヒーの真実(英題:Black Gold)』という映画になり、一躍注目を集めました。
ECXの取り組みがエチオピアコーヒーを変える
その後、2008年にエチオピア商品取引所(ECX: Ethiopia Commodity Exchange)が設立された。
ECXはエチオピア政府と提携した民間企業です。
ECXはコーヒーの他にも、ゴマ、とうもろこしなど穀物全般を取り扱っています。
それまでコーヒー生産者が市場価格を知ることはできませんでした。
マーケットにチェリーを売りに行っても価格交渉の余地はなく、品質による判断は一切なされません。
そこにメスを入れたのがECXです。
ECXは生産者に市場価格の情報を共有しました。
ECXのWebサイト、取引所の電光掲示板、SMS、電話(フリーダイヤル)で誰もが市場価格の情報を得られるようになりました。
コーヒーを九つの主要生産地に分類し、Yirgachefe G1、Sidamo G2のように等級分けをしました。
農協とプランテーションコーヒー(民間企業や国が所有する農園)以外のコーヒーは、ECXにて生産地認定とグレーディングを受けることが義務付けられ、オークションで取引されるようになりました。
ここでポイントとなるのが、ECXは、当時約96%を占めていたコモディティ・コーヒーのための仕組みであり、スペシャルティコーヒーの流通を主眼に置いてはいないという点です。
ECXによって、エチオピアに流通するコーヒーは生産地の地方名とグレードしか分からない状態になり、それまで特定の精製所とダイレクトトレードをしていた輸入業者にとってはトレーサビリティが不透明になり、信頼関係や精製所に対する投資が意味をなさなくなっていました。
2009年、ECXとSCAA(現在のSCA)との協議が持たれ、Qグレーダーによる品質評価を導入するなどスペシャルティコーヒー業界への歩み寄りがありました。
2017年、ついにECXは規制を緩和し、個人や中小企業でも輸出ライセンスを取得できるようになり、制度上ダイレクトトレードが可能になります。
この規制緩和によって、エチオピアのコーヒーのトレーサビリティは高まりました。
2017年以降、サプライヤーや生産者がエクスポーターとしても機能し始めています。エチオピアのダイレクトトレード元年と言えるでしょう。
2020年にはエチオピアで初めてカップオブエクセレンスが開催され、エチオピアのスペシャルティコーヒーの品質向上が今後も期待されます。
エチオピアの価格上昇には、ある事情が!
現在、世界的にコーヒー豆の価格上昇が起こっています。
ロシア情勢により燃料費・肥料・資材・人件費などの影響もありますが、一番の影響は気候変動により収穫量の減少が大きく関わっています。
エチオピアは更に、2020年からエチオピア政府が導入した最低輸出価格の設定、2021年から開始したバーティカルインテグレーション(ECXを通さず輸出業者が生産者から購入できるスキーム)により、直接生産者と価格交渉ができるようになりました。
その結果、北部地方など内戦の影響で今までのようにビジネスが成り立たないような企業や個人などが、南部地方のコーヒー輸出業者として新規参入が急増してきたことで「農家の奪い合い」が起こり価格上昇の原因にもなっています。(必要な量を確保するために、他の輸出業者より高く買わなければ確保できない状態)
しかしコーヒー業界は、長い年月をかけて信頼関係を築き成り立っているケースが多く、新規参入の輸出業者と取引するのはかなりリスクがあるので通常取引をしません。
その結果、昨年生産量の10〜15%のコーヒーが精製されないまま売れずに終わったという事実もあります。
彼らの中にはすでにコーヒー業界から他の業界に移ってしまった人たちもいるようです。
エチオピアにおいてコーヒー貿易の自由化は、長期的な目線では素晴らしい動きではありますが、現地では少なからず混乱があり、その余波が価格に反映されているようです。
日本の場合、更に円安が重しとなり価格上昇に大きな影響を受けているので厳しい状況は続くでしょう。
「コーヒーは毎年価格が上がって行く」そんなイメージをしておいた方が良さそうです。
美味しいコーヒーは今のうちに飲んでおいた方が、良いですよ!
将来的には、今の高品質のコーヒーは生産量が激減し高額取引をされるようになると思います。
そうなると、お金持ちの人しか買えなくなってしまいます。
とても庶民が買える金額ではなくなってしまうので、飲めるうちに美味しく楽しんで飲んでおきましょう。
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