どうして同じ豆でもお店によって味わいが違うの?
実はコーヒーってとても繊細な飲み物で、同じ銘柄の豆でも焙煎の仕方や焙煎機の種類によってもかなり味わいが変わってきます。もちろん抽出の仕方によっても変わってきます。今回は、焙煎機の種類によってどの様な特徴があるのか説明していきたいと思います。

焙煎機には、メーカー・熱源・ドラム(直火式・半熱風式・熱風式)・サイズとあります。
・メーカーは、今色々なメーカーがありそれぞれ構造が違いそれが味の違いと繋がっていきます。焙煎は、熱力・時間・排気のバランスで行います。メーカーによりドラムの位置や排気口の位置・蓄熱性など違う為、味の違いが生まれます。
ひと昔前だと、プロバットが美味しいと言われていた時代もありますが(個人差あります)何しろドイツ製で値段もお高いので美味しいと解っていてもなかなか手が出せません。(残念・・) スペシャルティコーヒー時代になり、現在人気があり世界中から注目されているのはギーセン。焙煎の世界大会にも使用されています。
当店では、富士ローヤルの5kg釜の直火式を採用しました。昔からあるメーカーで信用と実績があり、日本の気候に適した構造になっている。とおっしゃる方もおります。日本を代表するメーカーです。
・熱源は、ガス・電気・炭などがあります。メーカーにもよりますが、ガスを使用する物が多いように思います。火力の調整がし易く火が入りやすいイメージです。電気が熱源の焙煎機は、赤外線バーナーやハロゲンランプ・電熱コイルなどを組み合わせた物もあり、排気ガス発生量の少ないクリーンな焙煎を生み出します。最近の焙煎機は、コンピューター制御になっており画面1つでドラム内圧・排気・ドラムの回転速度など微調整ができる物もあり、より正確な焙煎が出来る傾向にあります。炭は、火力の調整がかなり難しく経験がものを言う世界です。未熟だと、焦げたコーヒーや芯残りのコーヒーになりやすいです。
・ドラムには、直火式・半熱風式・熱風式があります。メーカーによっては、直火式がない物もあります。海外製の物は、無いように思います。実は、ここが一番味が変わる所なのです。
直火式は、ドラムに小さな穴が沢山開いておりそこから直接火があたる所から直火といます。特徴は、豆の個性を表現しやすく味が濃い。反面、火力の調整が難しく焦げたり、豆の膨らみにやや欠ける場合があります。豆の個性を表現したい方が好んで使用する傾向にあります。
半熱風式は、ドラムの周りに鉄板が巻いてあり直接火があたらない様になっており、排気ファンによって吸引された熱風によっても熱せられる構造になっていす。直火式と熱風式の中間といった所です。特徴は、豆の個性を表現するにはやや劣るが豆が良く膨らみ焙煎しやすい。半面、直火式のような香ばしさや強い味は出しずらく、マイルドでバランスの良い味を作り易い。後味がややスッキリした味になりやすい。最近はスペシャルティコーヒー時代でもあり、好んで使用する方が多いです。
熱風式は、火が当たることはなく別ユニットで熱した熱風を送り込むことで焙煎する構造になっています。昔は、大型焙煎機はこのタイプで豆が良く膨らみ高温まで焙煎しても焦げにくく、温度もコントロールしやすい。特徴は、豆の個性を表現するには劣るが良く膨らみ安定した焙煎がしやすいです。半面、味が抜け易くよりマイルドになり、かなりあっさりした味わいになりやすい。今は、小型焙煎機にも導入されいます。焙煎し易いので、好む方も多くいます。
サイズは、一般的に業務用で焙煎量3㎏~30㎏の焙煎機を小型焙煎機。 30㎏~100㎏の焙煎機を中型焙煎機。 100㎏以上は大型焙煎機。 1㎏以下はサンプル焙煎用の機器として捉えられています。
このように、焙煎機と言っても色々な構造や機能があります。自分がどの様な味わいが好みかによっても、好む焙煎機が変わってきます。 お店がどの様な味の表現をしようとしているかも解ります。 このお店のコーヒーが何故か好き❣ と思ったら、焙煎機について聞いておくと自分好みの焙煎機が判ると思います。